身長の相談Q&A
- 小柄なだけで他の症状はなく元気です。受診をしたほうがいいですか?
- 身長の伸びが悪い、体重の増えが悪いなどは、体質によることが多いです。しかし、中には何か原因があることもあります。 少しでも心配なことがあれば早めにご相談ください。 一度治療適応がない、問題がないと言われて安心した方でも、心配事があれば何度でもご相談いただいて大丈夫です。
- 成長ホルモン治療とは具体的にどんな治療ですか?
- 主に、ご自宅で成長ホルモンを注射する治療になります。 基本的には毎日注射していただく形になりますが、現在では週1回の注射も使用可能になっています。
- 注射の治療を続けていけるか心配なのですが大丈夫でしょうか?
- 当院の院長が、これまで20年以上自己注射の治療に携わってきた中で、治療がつらくて中止せざるを得なかったおこさまはいませんでした。ほとんどの方が不安な気持ちで治療を始めますが、やってみると意外と簡単だったと話してくれます。
幸いお薬が進化していて、どなたにでも使いやすいように作られていますし、注射の使用方法やおこさまへの働きかけ等は、我々が全力でサポートさせていただきますのでご安心ください。 - ホルモン治療というと特殊な治療と感じてしまいます。 副作用はありますか?
- ホルモン剤に限らず、全ての薬に副作用・副反応はありますが成長ホルモンは副作用の少ない薬と考えています。
成長ホルモン治療は、本来体の中にあるものと同じものを外から足している治療なので、強い副作用は想定されません。
稀に薬剤の中に含まれる添加剤でアレルギー反応が出る場合がありますが、治療継続が可能な軽度の症状であることがほとんどです。 - 成長ホルモン治療を保険適用で受けられますか?
- 保険診療で治療を行える方は実は少数で、最終的な身長がかなり小柄になることが予想される方だけになります。
目安としては、大人になったときの身長が男性156.4cm、女性145.4cmを下回ることが予想される場合になります。
当院での身体測定、問診、検査(レントゲン・採血)を受け、更に成長ホルモン分泌刺激試験などの詳しい検査を実施して、治療開始基準を満たした場合に保険診療での治療が可能となります。 - 保険適用となった場合、治療をしないとダメですか?
- 保険診療の適用となるのは、何も治療をしなければ最終的な身長がかなり小柄になる方になります。学校の学習机が大きすぎて勉強がしにくい、電車のつり革につかまるのが困難、車両の運転時に制約があるなど、今後の日常生活において不便が生じることが想定されます。診断が確定しても、治療を選択されなかったおこさんもいます。治療するかどうかは、おこさんの将来のQOL(生活の質)を踏まえ、親御さん、本人とよく話し合って決めていただき、親子ともに納得してから治療を始めるようにしています。
- 成長ホルモン治療は、いつ頃から開始するのがいいですか? またどのくらいの期間治療が続きますか?
- 治療開始年齢は3~5歳頃が一般的ですが、10歳を過ぎてから診断が確定して治療を開始することもあります。治療期間は個人差がありますが、長期に治療を行った方が効果が大きいとされています。
- 成長ホルモン治療はどのくらいの効果が出ますか?
- 個人差があるので一概には言えませんが、長年成長ホルモン治療に携わってきた院長の経験上、明らかな効果が出ています。
特に治療開始後の1年間は良好な伸びがみられることが多いです。毎日治療を続けるのは大変ではありますが、その大変なことを乗り越えて効果が出てきた時の喜びは大きいものです。受診の度に効果をグラフで確認できるので、始めはしぶしぶ治療を行ってきたおこさんも治療に前向きになっていくことが多いです。 - 自由診療の治療は高額になると聞きました。
- 保険診療の適応ができないおこさんに治療を希望される場合、治療費はすべて自費で支払うことになります。
少しでも最終的な身長を伸ばしたいとなると、成長ホルモン治療に加え、思春期の進行を遅らせる注射(リュープロレリン注射)や身長の伸びを補助する飲み薬を組み合わせて投与します。この成長ホルモンとリュープロレリンは注射薬なので高額な費用が発生します。
早い時期に治療を始めた場合は、投与する成長ホルモンの量も少なく、治療する期間を短くすることや内服のみで治療することで費用を抑えられる可能性があります。ご心配な場合は、お早めにご相談ください。
思春期の相談Q&A
- 思春期早発症の治療は具体的にどんな治療ですか?
- 性腺抑制療法という思春期の進行を遅らせる治療です。「リュープロレリン」という注射薬を4週ごとに投与することで、性腺(女の子は卵巣、男の子は精巣)を刺激するホルモンの分泌を抑制します。これにより男性ホルモンや女性ホルモンの分泌量が減って思春期の進行が抑えられます。
- リュープロレリン注射の副作用はありますか?
- ホルモン剤に限らず、すべての薬に副作用の可能性はあります。リュープロレリンは比較的副作用の少ない薬と考えていますが、稀にアレルギー反応が出ることがあります。また、思春期が進んでいる女の子の場合は一時的に月経を引き起こすことがありますが、初回投与後1回のみのことがほとんどです。低年齢で月経が起こってしまうことがご心配な場合は、投与開始のスケジュールを十分相談してから開始するようにしています。
注射以外の治療法としては、リュープロレリンの点鼻薬があります。注射薬でアレルギー反応が起きてしまった場合などに点鼻薬を使用することがありますが、効果がかなり限定されるため通常は使用しません。 - リュープロレリン注射を保険適用で受けられますか?
- 当院での身体測定、問診、検査(血液検査やレントゲン検査)を受けて中枢性思春期早発症と診断された場合は、保険診療での治療が可能です。
厚生労働省の診断の手引きを用いて保険診療での治療開始が可能か判断しますので、一度診断を受けて治療が開始された場合は、引っ越しなどで医療機関が変わっても継続して健康保険が適用されます。 - 思春期早発症の診断がついた場合、治療をしないとダメですか?
- 思春期が周りの子より早く進行する原因は、遺伝や体質によるものがほとんどです。原因となる基礎疾患がある場合以外は、必ずしも治療をする必要はありません。
早期に身長の伸びが終了することで低身長となる場合や、体の変化による心理的な負担が大きい場合には治療をお勧めすることがあります。治療する場合は4週に1度のペースで受診して頂く必要がありますので、継続可能かどうかを十分に相談した上で治療を開始するようにしています。 - こどもの学校が忙しく、4週間ごとの通院(注射)が困難です。注射の間隔を少し伸ばしてもいいですか?
- 「リュープロレリン」注射薬の効果は4週間程度で切れてしまいます。投与後4週間を過ぎてから治療を再開することで、むしろ思春期の進行を促進してしまう可能性も考えられるため、4週間以内に次の注射を行っていただくようにしています。スケジュール通りに来院できない場合は早めにご相談ください。
- リュープロレリン注射は、いつ頃から開始するのがいいですか?またどのくらいの期間治療が続きますか?
- 治療の目的により変わってきます。保険適用で治療する場合は、診断確定から2~3ヶ月以内に開始することがほとんどです。
しばらく様子をみたり、複数回の検査などを確認した結果で治療を開始する場合や、初潮が来たことで本人の治療希望が強くなって開始する場合など、個々のケースによって開始時期が変わることもあります。
治療期間に関しても、身長や骨年齢、宿泊行事の予定などを考慮して相談の上で終了時期を決定することが多く、女の子は小学6年生頃に終了し、男の子は中学生になっても継続する傾向があります。 - すでに初潮がきています。リュープロレリン注射で生理を止めることが可能ですか?
- 多くの場合、リュープロレリン注射で月経を止めることができます。治療開始後すぐに月経が来なくなる場合もありますが、治療効果が出るまで1~2回月経が来る場合もあります。全く効果が見られないこともごく稀にありますが、その場合は治療を中止するか投与量を増やすなどの対応を行います。
- リュープロレリン注射を止めたら、生理が再開しますか?
- 治療終了後、通常数ヶ月ほどで月経が再開します。治療前に初潮が来ていなかったお子さまや長期に治療を行っていた方は治療終了後から月経開始まで1年以上かかることもあります。治療後に再開した月経はしばらく不定期になることがありますが、2〜3年経過すればほとんどが通常の排卵を伴う月経となるため、将来の妊娠・出産の際には治療を受けたことによる影響はないと考えられています。
- リュープロレリン注射の治療をすれば、思春期が止まり、身長を伸ばすことができますか?
- リュープロレリン注射はあくまでも思春期の進行を抑えるものであり、身長を伸ばすことはできないと考えられています。ただ、長年この治療を行っていると、予想を超えて身長が伸びる方もいます。必ず治療の効果が出るとは限らないのですが、最終的な身長がとても低くなってしまうことが予測される場合には積極的に治療を検討します。その場合は補助的な治療(自費負担での治療も含む)を組み合わせて長期に治療を続ける場合もあります。
- ホームページに「診察の際、女の子の場合は胸のふくらみや陰毛の有無を、男の子の場合は精巣(睾丸)の大きさを確認させていただきます」と書いてありました。女子(男子)なので、できれば女性医師(男性医師)に診ていただきたいです。
- 月曜日、火曜日、金曜日は院長(女性医師)が、水曜日は小川医師(女性医師)が診察しています。土曜日は不定期で石川医師(男性医師)が診察しています。いずれの医師も長年成長に関わってきた専門の医師ですので、ご希望の医師の日に予約をしていただいて大丈夫です。
どの医師が診察するかは、当院ホームページの診療カレンダーからご確認いただけます。3ヶ月先まで予約できますので、LINE予約またはお電話でご予約ください。